キリスト教あれこれ(9)

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聖金曜日

 イースター(今年は3月31日(日)) の前の金曜日(3月29日)を英米の教会ではGood Friday (聖金曜日)と呼んでいます。しかし、日本の教会では、この日を受難日、受苦日と呼んでいます。この日、イエス・キリストがエルサレム(当時)のゴルゴタ(「されこうべ」の意)の丘の刑場で十字架に架けられた日であるからです。
 福音書の中で最初に書かれた福音書であるマルコ福音書は、イエスの逮捕に始まって、たらい回しとでっち上げの裁判、ローマの総督ポンテオ・ピラトの死刑判決、エルサレム市街の「涙の道(ヴィア・ドロロサ)」を十字架を背負っての行進、十字架への釘付け、絶命、埋葬までの17時間程の出来事を特別に紙面を割いて( 160行にのぼる)記しています。どうぞ、マルコ福音書の15~ 16節をお読みくださればその様子を詳しく知ることが出来ます。お読みになることをお勧めします。
 英米の教会はもとより、全世界の教会はこの特別な礼拝「聖金曜日の礼拝」または「受苦日」の礼拝や「受難日」の祈祷会を持ちます。その礼拝や祈祷会は大抵正午から午後3時まで持たれます。イエスは朝9時に十字架に釘打たれ、息を引き取ったのは午後3時だったことに基づいています。
 キリスト教会では、この日と翌日の土曜日は聖壇とそこにある十字架を黒い布で覆います。そしてその布は復活日(イースター)の朝取り除かれ、教会によっては午前零時から復活祭礼拝を守るところもあります。

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